『マン・オン・ワイヤー』*3

フランス人大道芸人フィリップ・プティ―がワールド・トレード・センターで綱渡りをする前後を描き、2008年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門でオスカーを獲得した映画。平日の初回なのに結構な人数がいて、少々驚いた。
当時の映像と写真、フィリップ・プティ―本人と綱渡りに協力した友人たち本人のインタビュー、それと再現映像を交えて描かれるのだが、淡々としているようで確実に「夢」に向かう姿が非常に印象的。その一方、明らかに不法侵入を始め様々な犯罪を犯すことになるという意識に引きずられる辺りの「常識」、綱渡りの危険性を如何に少なくする為の方法、様々な感情が行き来し、綱渡り成功後、ヒーローとしてスターダムにのし上がったフィリップ・プティ―と国外退去を命じられた友人たち。その光と影。だが、同じ事を成し遂げたという自負。
素晴らしいです。