『つぐない』*4

イアン・マキューアンの『贖罪』を監督ジョー・ライトで映画化。出演はキーラ・ナイトレイ他。原作はもしかしたら読んだ事あるかも知れないけど、記憶が曖昧でちょいわからん。
第二次世界大戦前のイギリス。上流階級の姉妹・姉セシーリアと妹ブライオニー、そして家政婦の息子ロビーの話。恋とか愛とか自分の感情さえわからない程幼い時代の過ちを一生掛けて償おうとした老いた作家の願いと祈りと言い換えても良いかな?
ストーリーは各所で書かれている様に素晴らしいので、それだけで観る価値は充分にあるのでそれはそれで。
この映画はアカデミー賞で作曲賞を採った訳だが、その辺りで目に付いた事を。
開始直後、ブライオニーのリズミカルに打つタイプライターの音が響く。そこから音楽に繋がってゆく。この様な演出がこの映画では非常に多く、セシーリアが水面を触れるタイミングでピアノの音が聞こえてきたり、傘でボンネットを叩く音がドラムとして繋がったり、蹄の音や廊下を歩くヒールの音が一定のリズムが、BGMとシンクロしてゆく様はミュージカルの様なんだが、全然違和感無くグッと物語に引き込まれる助けになっている。かと言って、普通BGMで逃げてしまう様な所をBGM抜きでやったりと、とりあえず"音"関係の演出が他とは違うから、出来るだけ音響の良い所で観たかった。
これはかなりオススメ。2時間オーバーがあっという間に感じる程の出来。