『劒岳 点の記』
新田次郎の同名小説の映画化。原作は未読。それを木村大作が初監督で映画に。多くのインタビューで偏屈ジジイっぷりが明らかになってきてるが、その偏屈っぷりは、この絵を撮る為なんだと溜息が出る。出演は、浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、宮粼あおい、井川比佐志、夏八木勲、役所広司等々。エンドロールでは役者もスタッフも一緒に「仲間たち」と表記されている。
黒澤明の影響を強く受けている人だからこその色彩。雪渓の上や割れ目の隙間を縫うように歩く姿、吹雪に大雨、雪崩。もう一つ一つの絵の説得力が半端じゃない。それだけでこの映画は大満足。
で、主演は一応浅野忠信なんだけど、香川照之の存在感が主役を食っちゃってる。でも、エンディングで仲間達と表記したからには、そういう割り振りに拘っている様な映画じゃないか。
本筋には関係ないんだが、宮粼あおいが浅野忠信に顔を寄せて「好きなくせに」という所が凄く印象的というかエロくてもうなんというか。実際はエロいシーンじゃないのに。