『チェ 39歳別れの手紙』*3

先日*1公開された前編の続きになる後編。突然、キューバを出奔し行方をくらませたエルンスト・ゲバラが、一年後ボリビアに現れてから銃殺されるまでを描く。でも、キューバを出奔したのは、ソビエトからの圧力だし、コンゴで失敗したこともスルーしてる。また、キューバ革命成立から出奔に至るまでの政治家としてのゲバラや様々な外交を行ったことも、超スルー。ボリビアでも、若い頃南米を放浪したときにボリビアの革命を目の当たりにして、それが堕落していく様を見てきたわけだし、その辺りが超スルーされてる。キューバ革命時に農民を教育出来たのに、ボリビアでは出来なかったというかやらなかった理由はコンゴにも関係してるわけだし。ひたすらゲリラ戦を行う闘士としてのゲバラのみを描く理由はなんなんだろうか。
が、そんなストーリーだけど、ベニチオ・デル・トロが凄い。撃たれた仲間を救おうとしているときの横顔、喘息の発作に喘ぐ時のやつれた顔、次第に追い込まれていく感じがなんというか素晴らしい。
この映画をみてゲバラを知った気になるのは危険だけど、これを切っ掛けにしてゲバラに興味を持ってもらえるならいいんじゃないかと思ったりした。