『K-20 怪人二十面相・伝』

adramine2008-12-22

江戸川乱歩の『怪人二十面相』ではなく、北村想の『怪人二十面相・伝』の原作を元にしたものらしい。監督は佐藤嗣麻子。主演に金城武。ヒロインに松たか子明智小五郎仲村トオル、小林少年に本郷奏多、他に國村隼高島礼子鹿賀丈史等々。
オープニングのアメコミちっくな映像がちょうカッコいい。第二次大戦がなく、未だ身分制度が残る1949年の東京が舞台。スチームパンクというよりはレトロフューチャーっぽい様々なデザインがナカナカ良い。そんな中盗みを繰り返す怪盗二十面相に嵌められたサーカスの曲芸師がその疑いを晴らそうとするというのが全体の話を引っ張る。細かい所をみると様々なアラが目立つのだが、金城武と二十面相が魅せるパルクールと呼ばれる身体一つで街を駆け抜けるアクションが非常に軽快でそれを格闘シーンに組み込んだ点がただのワイヤーアクションとは少し違う動きになり、面白い。
主演の金城武は少しコミカルながらも真面目に、松たか子はコミカルメインに、中村トオルは格闘シーンが無くて、本郷奏多は小型ミッチーって感じで、それぞれに良かったんじゃないかな。でも、一番良かったのは、國村隼高島礼子の夫婦役。サーカスの小道具を製作する表の顔と泥棒の小道具を製作する裏の顔を持つ親父の國村隼バットマンに対するフォックスという立場なんだが、職人気質なツンデレが可愛い。それをサポートする高島礼子も。
あと、やたらと二十面相のマスクがかっこいいなあと思ったら、二十面相のデザインは、田島昭宇とか。
ストーリーの細かな部分を除けば結構良いんじゃないかな。ただ、乱歩のイメージをそのまま持ち込むのは禁物。思い入れのある人以外向けかな。