『イーグル・アイ』*1

監督D・J・カルーソーで主演シャイア・ラブーフという覗き映画な『ディスタービア』のコンビに、製作総指揮スティーヴン・スピルバーグとかが加わってもう何がなんだか……。
要するに超強力なエシュロンに超おバカなHAL9000が暴走してしまいましたという事なんだが、虫捕り網で水を掬う様に設定とお話の綻びがだだ漏れ状態。物語のキモになる双子だからといって生体情報が一致するとか頭悪過ぎ。そんなセキュリティな機械に大きな力を与えるとかアホ過ぎる。
ただ、画面上はスゴく派手で楽しい。街中のカーチェイスやスクラップ置き場の様々な工作機械、ワシントンの夜空を舞う無人攻撃機等々。空港の貨物エリアの銃撃戦はマヌケだったが、そこそこ面白かった。でも、華が無いというなんとも致命的な欠点がある。
ARIAというその機械が自己進化するとか感情を持つとかもう少し掘り下げて、且つ、一つ一つの設定を筋の通る様に組み直さないとお話にならんな。つか、折角エシュロンに結び付いているのなら、人々の意識の統合体めいた描写に走っても良かったのにな。そっちの方が怖いし。
スピルバーグの口出しが無ければ、もうちょいまともになったのかも知れないと思ったり……。