二十歳の息子と初めて呑む親父の姿

昨日、毎度の如く定位置で飲んでると、久し振りのお客さんが、見慣れない若い子を連れてやってきた。お母さんが「どうしたの?」と訊くと「うちの息子。明後日成人式。」と。
よく話を訊くと、奥さんに駅前迄送って貰ったんだけど、途中で店が開いてるのを見たら、息子と呑むなら、美味しいモノをゆっくり呑める所が良いな、と言う事で来たらしい。
初めて食べるゴーヤの苦さに面くらいながらも、最終的には旨い旨いと言って、ゴーヤチャンプルを平らげ、定番のラフティーなんか瞬殺。やはり若い人を連れて行くと、頼むメニューは皆あまり変わらない。〆は多分焼きそばの塩味か豆腐窯味にするんだろうな。
言われるままに結構なペースで泡盛を開ける息子を大丈夫か?と言いつつも自分も負けない様に呑む親父さんの顔はスゴく嬉しそうだった。自分が学生時代にお酒を覚えた店に自分の息子が二十歳になって初めて呑みに連れて行くなんて、そのシチュエーションだけで胸がアツくなる。
余り邪魔しちゃいけないかな、と思い適当な所で切り上げたが、私は親父と呑む事が出来なかったし、私にも息子が出来て、そういうシチュエーションになる事は無さそうだから、憧れるシチュエーションの一つだな。でも、その二十歳の息子にとっては、旨い店の一つに過ぎないんだろうな、今は。彼は何時ぐらいから、この経験が得難いモノだと気付くのだろうか。