『アース』*9

ディープ・ブルー*1のスタッフが作った自然一杯動物一杯のドキュメンタリー映画。日本語版ナレーションに渡辺謙
開始前、劇場内を見渡すと中学生以下500円とかで未就学児らしい子供連れがワラワラ居て「これは五月蠅いかも知れないな」と思った予感的中。が、今回は昼間に観た私が悪いな。この展開は読めたし、子供こそ観るべきモノだろうから、私がレイトショーで観るべきだった。
ディープ・ブルー』では、最後の最後で環境問題を取り上げた為になんだかとってつけた感じがしたが、今回は真正面から地球温暖化をテーマに据えて二時間弱を描いたから、非常に真直ぐな印象を受けた。それに"四季"とか"時間"による変化を重視している為、樹々が色付き散ってゆく様や衛星軌道からの連続写真とかが、無茶苦茶綺麗。
動物は相変わらずというかより一層スゴい。オープニング直後のホッキョクグマが巣穴から顔を出す可愛らしさから、雪深いタイガを一匹で歩くオオヤマネコ、水場を求めるヌーの大群、クジラがバブリングネットでオキアミの群を一飲みにする所、巨大なホオジロザメがオットセイを捕らえる所等々、見どころに事欠かない。が、その一方、陸上生物の狩りは捕らえる所までは映しているのだが、血の噴出す所やはらわたに顔を突っ込んで血塗れになってる姿は一切無い。やたら上品になってしまった感じがする。その辺りは片手落ちな気がするな。命の連鎖を意識的に排除してる感じもする。音もかなりスゴい。ライオンの群が象の群を威嚇する所なんかは、低音が腹の底から響いてくる。クジラの歌もあるし。
ナレーションの渡辺謙は良いんだけど、ナレーション自体がやはり邪魔な気はする。BGMも多少邪魔な時もある。DVDに落ちた時には、ナレーションとBGMがカット出来る設定が欲しいな。そうすればかなり購買意欲が上がる。
これから観る人には、

  1. 子供のいなくて空いてる時間帯
  2. デカいスクリーン
  3. 良い音響

が、これ程重要な映像も無いと思うので、その点を気を付けないとアカンかも。

*1:ディープ・ブルー ?スタンダード・エディション? [DVD]