『ワルボロ』

ゲッツ板谷*1の同名処女小説『ワルボロ』*2の映画化。小説と言っても半ば自伝というかなんというか。『まあじゃんほうろうき』*3等々、西原理恵子初期作品にも数々の伝説がチラホラあったりする。
原作の妙に癖のある文体は映像に出来なかったけど、雰囲気はあるんじゃないかな。なんだか丁寧な作り。主役の松田翔太やヒロインの新垣結衣もさほど違和感を感じる事無かった*4し、脇を固める仲村トオル戸田恵子等々でグッと引き締まった感じ。中でも改造制服屋の親父役のピエール瀧が美味しい所をゴッソリ持ってく。西原理恵子も出てるのだが、事前に知ってないと少々分かりにくい*5
ある少年の堕ちて行く様というよりは良くある成長物語なんだけど、ストーリーはあまり意味が無い。けど、『ビーバップハイスクール』とかに代表される所謂ツッパリ漫画系とはちょい違う感じがする。
予告の新垣結衣が無茶苦茶可愛かったのだが、それを目当てに行くと肩透かし食らう。けど、溜めに溜めてラスト間近での「負けんなよ」はかなり破壊力ある。
でも、かなり人を選ぶよな、きっと。コアは40歳プラスマイナス5歳かな。

*1:昔からの西原理恵子の読者なら"金閣銀閣"の"金閣"と言った方が分かりやすいか?

*2:ワルボロ (幻冬舎文庫)

*3:まあじゃんほうろうき (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト) まあじゃんほうろうき (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

*4:煙草を吸うシーンが多数ある為、殆どの中学生が二十歳以上と言う点には目を瞑ろう。

*5:多分、横断歩道で園児を引率してる保母さんだと思うけど、違うかも知れない。