『マリー・アントワネット』

ソフィア・コッポラ監督作品、総指揮フランシス・フォード・コッポラ。原作*1は未読。
徹底的にマリー・アントワネット視点で描かれた映像。POP & CUTE。テクノとニューウェーブとクラシックが混在する音楽*2。序盤でグッと映画世界に引き込まれた。
私の知るマリー・アントワネット像は、14歳でオーストリアからフランスの王室に嫁いだ痩せてちっぽけな少女がヴェルサイユで浪費の限りを尽くし、またフェルゼン伯爵との不倫、そしてフランス革命。それだけしか無いのだが、第一子誕生後、ガーデニングをしたり山羊を飼ったりと意外な面の描写に驚いた。この点に於いては、原作を読みたくなった。
政治的な部分も事件的な要素も一切排除し、一人の少女の駆け抜けた半生をひたすらPOPにキュートに描けたのは、やはり監督がまだ若い女性という事が大きいのだろう。
そういえば、ソフィア・コッポラの初長編映画監督作品『ヴァージン・スーサイズ*3に、今回の主役のキルスティン・ダンストが出てるな。
史実の再現は完全に放棄している部分もあるので、カンヌでブーイングが起きたというのも、ある意味納得出来るが、これはこれで楽しいんで良いと思う。

*1:マリー・アントワネット〈上〉 (ハヤカワ文庫NF) マリー・アントワネット〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

*2:サウンドトラックマリー・アントワネット オリジナル・サウンドトラック

*3:ヴァージン・スーサイズ [DVD]