『日本沈没』 - gobbledygook

原作*1も旧作*2も当然読んでいるし、観ている。で、劇場予告やTVのスポットCMで草なぎが「奇跡は起きます。起こしてみせます」と言う度に、「これは観てはダメだ、絶対地雷だ」と思っていたのだが、web上の巡回コース各所でナカナカの評価があるので、とりあえず観てみた。
で、一番の感想は、「草なぎも柴咲コウも主役じゃないやん。正直イラネ。つか、あの宣伝は間違ってる」と思うぐらい、トヨエツと大地真央を筆頭に各々の役者が良い。
映像のツッコミ所の多さはハンパじゃない。どの火山から流れる溶岩も同じ様に流れたり、地震が多発しているのに何故か壊れない岸壁とか、爆風に煽られないヘリとか、妙に怪獣映画っぽいカットにアオリの絵とか、エトセトラ、エトセトラ。ホントにキリがない。が、これはこれで良いんじゃないかな。そこまで深くツッコむ必要は無いのカナ、このシナリオでは。らしく見えればオケって感じ。
ホントにほとんどの役者はかなり良いと思う、草なぎ&柴咲コウ以外は。でも、彼らの演技が悪い訳では無い。彼らの関係している部分のシナリオそのモノが『アルマゲドン』*3だから仕方がない*4。その部分が無ければ、もっと良いんじゃないかなーなんて思ったりする。シナリオの問題。つか、個人の尺度に物語を縮小して描く必要性は何なんだろう……。今の社会性？泣き要素をいれないと売れないから？
という事で、草なぎと柴咲コウ抜きのディレクターズカット版があるのならば、それが観たい。
それでも旧作を超えたかどうかと言うと……。万人の賛成を得る事は出来ないだろう。やはり個人に物語を収束させる必要性は一体何なんだろう。それがリメイクの一番の理由なのかも知れないが、私には理解出来ないというか、しようとしないというか。そんな感じだな。

*4:もっと言うと、草なぎの交通手段はなんだ？一個人が災害地を転々と渡り歩ける状況って……。