『ワルキューレ』*1

ブライアン・シンガー監督で、第二次世界大戦最中の1944年、ヒトラーの暗殺計画を企てた実在のドイツ人将校のシュタウフェンベルク大佐を中心にその暗殺計画を描くということなのだが、なんというか様々な部分で何故?という疑問が沸き起こるシナリオだなぁ。シュタウフェンベルク大佐に関しては元々の主義の相違とかあったのだが、左目と右手、左手の薬指小指を失ったから、ヒトラーに反逆するようになったというようにしか捉えにくいし、様々な賛同者にいたっては、どうも何か書き割りみたいな感じで薄っぺらい。また、「ワルキューレ作戦」のキモになるヒトラー暗殺とその確認手段とかもうやる気あるのか、それ。つか、行き当たりばったり過ぎるし、確実性も皆無、タイムスケジュール管理と情報統制も出来ないで、都市の制圧とかバカすぎるだろ。二時間で描くには無理があったという事なのかも知れないが。
また、片目がが見えないハズのシュタウフェンベルク大佐が一人で鏡に向かい髭剃りをする所。それ、見えてる人の仕草にしか見えない。その他、薬指と小指が無いのに拳銃をぶっ放して当たるのか?とか、少々あれ?と思う所が至る所に。なんともなー。
同時代のドイツでヒトラーに対する抵抗をするのなら、立場は違うが、『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々』*1という名作があるし、大佐の遺族がサイエントロジーの信者であるトム・クルーズが演じることに懸念を示したのは、その通りになってしまったという事か。