『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』*5

言わずと知れたストリートファイター2からほぼメインキャラクタとなってる春麗にスポットをあてた映画。過去に『ストリートファイター the movie』というある意味アレな映画がありましたが、それとは別方向でやっちゃったなぁ。監督は『ロミオ・マスト・ダイ』のアンジェイ・バートコウィアク
ストリートファイター20周年という事だが、空気圧ボタンのストリートファイターは1987年だから、22年。春麗初登場は、ストリートファイター2で1991年。どちらにせよ20年じゃないんですが……。うーん。
主演のクリスティン・クルックは元新体操の選手らしく動きは結構綺麗。だけど、何処をどう見てもカンフーじゃない。開き直ってバカ映画っぽくワイヤーアクションとCGバリバリという感じじゃなく、頑張ってアクションしてるんだが、そんなん誰が求めてるんだ?棒術なんか使わんでいいって。冒頭スピニングバードキックに対する必殺技的なモノが少し語られるが、なんでもない所でカポエイラ的な逆立ち開脚蹴りで、回転的鶴脚蹴という名前にはふさわしくない。また、春麗の投げ技っていったら、虎襲倒とか龍星落だ。まかり間違ってもフランケンシュタイナーじゃない。折角、元の下で修行したのに、しゃがみ大キックの元伝暗殺蹴っぽい技を出すことも無い。つか、元に気功拳を習うってどういうことだ?百裂脚、天昇脚も無い。当然、千裂脚も覇山天昇脚も無い。結構好きな技の七星閃空脚も無い。三角跳びと鶴脚落っぽい技は一応あった。
元は全然別物。ナッシュはただの刑事。バイソンはボクサーっぽいけど拳銃ぶっ放すただの黒人用心棒。バルログは仮面+爪は同じだけど意味ないし。ベガはただのオッサン。もう少しバカっぽく作れなかったモノかなぁ。妙に真面目に春麗の復讐劇を作ってしまったというイメージがつきまとう。
ただ、ここまでなら残念だ、という程度で済むんだが、ベガとの戦いで竹を支えにして飛燕脚をやってる。龍虎の拳ユリ・サカザキの飛燕脚じゃなくて、『ワンチャイ』の飛燕脚。この映画を好んでみる様な人達にとってそれはないよなぁって感じだ。
要するに、もっとバカに作れよって事だ。『D.O.A』の映画で胸がCGじゃない以上に違うだろ!という気がする。もっとCGバリバリワイヤーアクショングリグリなバカ映画だったらよかったのに。
エンディング後のStudio4℃製作のさくらのアニメーションもどうでもいい感じだった。