『西の魔女が死んだ』

梨木香歩『西の魔女が死んだ』の映画化。主演のサチ・パーカーはシャーリー・マクレーンの娘。だから日本語ペラペラなのは当たり前なのか。孫は高橋真悠、その他はりょう、高橋克実木村祐一等々。原作は当然既読。つか、良い本なので単体で読んでも惜しくない。
で、映画。原作の雰囲気は充分残しつつ、映画としてというか映像化したからには何か違うモノを付け加えようとしてる感じが多少感じたが、どうもジブリ的なイメージに引摺られている様に思える。観る方の意識にそういうレセプタが多い気もするが。
でも、映像化したからこその素晴らしさは多々ある。

  • 序盤のサチ・パーカーとりょうの親子がサンドイッチを作る時、無言で別の作業をしながらも、滞りなく一つのサンドイッチを完成させてゆく様。その横で何をして良いのかわからない孫の姿。
  • ワイルドベリーを摘む時に琺瑯の鍋にコツンコツンと音を立てて入れてゆく様。
  • 訳もわからず木村祐一を蔑む様に睨み付ける目。

その他イロイロ。また、食べ物も映像化すると旨そうで旨そうで。薄目に切ったパンをカリッと焼いて、ワイルドベリーのジャムを塗り、お手製のハーブティー。夜中に食べる焼きたてクッキー等々。ホントに旨そうだ。
原作よりも更に教科書的というか文科省推薦マークが付いてても一向に不思議じゃない感じに仕上がってる。二時間前後でまとめるには確かにそれは一つの答えというのはわかる。が、綺麗過ぎるし、良い話過ぎるんだよな。
どうせなら、文庫についてる後日談を絡めて二時間*4回ぐらいのスペシャルドラマとかにして欲しい気もする。