『めがね』*12

荻上直子監督脚本作品。出演は、小林聡美市川実日子もたいまさこ光石研加瀬亮他。実は『かもめ食堂*1とかを見逃してそのままにしていたりして、この監督の映画は初めてだったりする。脚本は『やっぱり猫が好き2005』とかで観ていた模様。
スゴく良い。緩やかに流れる時間と空間。繰り返す波の音に素朴な料理。不思議な人々と画面を横切る犬。なんの事件も恋愛物語も無い南の島の風景。観ながら「そこに行きたい」とホントに思った。まあ、実際には山程の本と煙草を担いで行かないと耐えられないだろうが。
全体の空気を醸し出しているもたいまさこ、一応の窓口の光石研、その空気に染まりつつある市川実日子、そこにやって来た小林聡美、現実に近い加瀬亮と言う感じのある意味ヒエラルキーに近い何かが、終盤になるとそれが希薄になってゆき、全てが溶け合う感じ。
固定カメラに長回し。でも、人物が中心にはいなくて、あるのは何もない空間。こういうのもたまには良い。とりあえず過去の作品を観よう。
でも、退屈な映画が嫌いな人はダメだろうね。

*1:かもめ食堂 [DVD]