『サイドカーに犬』

長嶋有文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬*1の映画化。主演竹内結子
原作と比べると多少の違和感が残るが、それを映像化すると過剰な説明になってしまうので、これはこれでアリかな。大人になった薫役のミムラに影を落とす子供の薫の細かな部分が非常にうっすらと感じられる点が非常に好感をもった。
ひたすら子供視点を貫き、子供が感じられるヨーコさんを始め大人達の様々な部分に変な解答を出さないから、ある意味投げっ放しな作りに反感を持つ人もいるかも知れないのは残念だが、解答を出さない事がこの解になっているんじゃないかなと。
「自転車乗れる様になると世界変わるよ」の一言の意味が二重にも三重にも利いてくる物語。

*1:芥川賞受賞作『猛スピードで母は』猛スピードで母はに収録