『13歳の夏に僕は生まれた』

イタリア映画、マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督。カンヌで何か賞をとったとか。
13歳の裕福な少年が、ヨットの旅の途中で海に転落。偶然通り掛かった不法移民船に拾われて、違う世界を目の当たりにし、挫折と成長をという様な良く出来た話なんだが、これにピッタリ当て嵌まる言葉がある。「中二病」プラス「幼い正義感」だ。まあ実際13歳と言う設定なんだから、世界が広がった途端に染まってしまうのは仕方がないのだが、かなり青臭くて甘い。
物語の視点をずらすと、『誰も知らない』*1と少々被るというか裏返しの感情になるのだろうか。ちょい考えてみる。
淡々と描かれた映像は、ナカナカ綺麗。巨大な廃墟の中に差し込む日の光や、ドアの向こう、溺れる水等々。逆に汚いモノも汚く、ラストの少女のメイクの歪さとかも印象的。
最後はなんだかやるせない感じになるので、楽しい映画が好きな人には向かない。