『ストロベリーショートケイクス』

魚喃キリコ原作『strawberry shortcakes』*1の映画化。うちの近くで公開になったし一応既読だから、とりあえず。
デリヘルの電話受付をしているフリーター里子*2、棺桶で眠るデリヘル嬢秋代*3、恋愛依存体質のOLちひろ*4ちひろと同居する過食と嘔吐を繰り返すイラストレーター塔子*5の四人の女性の物語。原作と大きく違うのは、里子のキャラクタと里子と秋代の関係かな。その他細部はかなり違うというか別物かも。でも、里子以外の雰囲気はかなり近いと思う。
で、原作とは別物と観れば、面白い。里子の「恋がしたい恋がしたい恋がしたい」、秋代の「菊地が触った身体に誰も触るな」、ちひろの「あたしの神様は彼氏かな」、塔子の嘔吐を繰り返す姿等々、原作と同じで印象的な場面もあるが、里子が神様に祈るシーン、秋代のラスト、ちひろの彼氏、塔子が絵を処分して真っ白な額縁がたくさん飾られている部屋等、オリジナルでいい所も多数。
印象的なシーンはたくさんあるのだけど、原作にもある秋代が菊地と一回だけする時のキス迄のワンカットが無茶苦茶良い。秋代の一途さが凝縮されたキスが綺麗。
その他、塔子が床で絵を描く時に、ローライズのジーンズから覗く黒いパンツとか、妙にエロいシーンがチラホラ。その辺りの無意味な演出は少々残念かもしれない。
今まで女性向けコミックで吉田『櫻の園*6が映画化されたモノが最も成功したモノの一つだけど、それに並ぶぐらいの良い出来じゃないかな。
あ、そうそう、高取英が出演していて驚いた。
とりあえず原作を読み直そう。

*1:Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

*2:池脇千鶴

*3:中村優子

*4:中越典子

*5:岩瀬塔子

*6:原作は櫻の園 白泉社文庫 映画は櫻の園 [DVD]