adramine2004-04-20

ジャンプノベルを除いた発行順で言うと、「翼」「すべての雲は銀の…」「星々の舟」になるのだろうか。文庫落ちした作品しか読んでいないのでその辺りはちょいわからないが、昔に比べて名前が知れ渡ったな〜と思う。流石直木賞。
しかし、お話自体は、かなり過去の焼き直しと思える設定が見え隠れ、というより露骨に出ているのではないかな。大きく分けて主人公にまつわる「おいしいコーヒーのいれ方」路線と、登校拒否というか不登校児の「翼」路線の大きな二本柱がある。要するに、過去の違う路線の作品を合わせただけ。また、この作家にしては登場人物がかなり多いこの作品に於いても、主人公の一人称視点というのが、異様なマンネリ感を生み出しているのではないだろうか。
また、二本柱がそれぞれ単独の話として成立している点もマイナス要因になっている。何故二つを一緒にする必要があるんだらうかな?と少々思った。