再読ながら、非常に好きな本なので記録。
絵本作家でありながらチェリストである作者の内面を書いた一冊。「グレイがまっているから」*1「気分はおすわりの日」*2の様なほのぼのした感じは全くない。
パブロ・カザルスの足跡を訪ねる第一章と、芸大院生時代にパリで生活した一年を書いた第二章。あと、絵本作家らしい三章四章。
で、細かい事は関係なく、やっぱりこの方の文章というモノに惹かれるのは、「音」と「絵」が同居している所だ。芸大出身の作家は他にもたくさんいるが、私が感じる事*3が出来るのはどちらか一方。それを越えた所にあるこれはいつまでも好きな一冊だな。
しかし、この本は泣ける話じゃないけど涙がこぼれ落ちる理由が未だによく自分の心理がわからなくなる一冊とも今日この時点で書き残しておこう。

*1:ISBN:4122027640

*2:ISBN:4122034620

*3:私が不勉強と言う点は大いにあるのだが。