笹本祐一「宇宙へのパスポート 2」ISBN:4257036788

一年半ぶりのロケット取材記。前作は世界各地の宇宙開発に関わるレポートだったが、今回は全部国内、それもあまりスポットが当たらなかった「宇宙科学研究所」がメイン。NASDAより更に規模が小さいが、純国産ロケット開発をし続けてきた所。つか、NASDAには知っている方が何人かいるが、宇宙研に知り合いはいない。まあ、今月の頭にJAXAに統合されてしまったから関係ないんだが。
打ち上げの情報とかは、宇宙作家クラブのニュース掲示板でいつもレポートが上がっているので、その辺は分かってるんだが、その前後や詳細について事細かに*1書かれているし、技術者との会話の面白さや大手新聞社や某国営放送局の記者への怒りが掲示板以上に伝わってくる*2
更にコラムが面白い。イロイロ良い話も悪い話も残っている糸川教授の事とか、材料系の話。全然飽きないな。
で、一番面白かったのは、酒のラベルのパロディ。M-V5の「虎の児」のパロディが最高。此機宇宙翔千里なんて、願いと粋が合致した素晴らしさ。
まあ、ともあれイロイロ作品が遅れまくっている笹本だけど、その原因の大半がこれだから、まあ仕方が無いと思う訳ですが、エリアルの最終巻はいつになるんだ?

*1:一部余分な所もあるが。

*2:これはいつもの事なんだが、ニュートン物理学を理解していない人間にロケットの取材をさせてどうするんだ?と言う事だな。