現実にないモノの映像化。

例えば、新井素子の「星へ行く船」シリーズなんか、現実にはないものばかり出てくるから、映像を結ぶことそのものが至難の業だと思うんだけど、「文章→映像」の回路がある人はどう感じるんだろう?
2006-07-07

それはSF的お約束というかコプロセッサというか文法で処理していくと思うのですが……。いきなり新しい概念の何かが突拍子もなく出てくる事はかなり稀で、大抵何かの発展系や延長線上にある訳で。そこから書かれている描写を加味して頭の中でそういう概念を形成する訳で。それはそんなに難しいことではないと思う。
でも、完全なディティールを思い浮かべなくても、曖昧なら曖昧な概念のままでそれを進めていくこともしばしば。
例えば、知らないモノあまりメジャーじゃないモノをごく当たり前に使われると、ちょっと困るが、それはそれでそのまま読んでいくと思う。何か忘れたけど、スペースコロニーの形で「ベルナール球」というモノが文中に出て来て、当時スペースコロニーと言えば、「オニールタイプ(シリンダ型)」と「トーラスタイプ(ドーナツ型)」しか知らなかったけど、空白の概念のままそこは読み進めていって、最終的に判らなかったけど、多分宇宙に浮かぶ球状の何かなんだろうという感じで読み終わったモノがある。
が、もっと映像化が難しいモノで言うと、『竜の卵』*1がある。地表面重力670億G、地表温度8000度、直径20km足らずの中性子星上生息する平均寿命37分の知的生命体チーラ。彼らの生態を脳内で映像化することは、私には出来ません。あまりに基本的な条件が違いすぎるために、いくらなんでもこれは無理。何でも映像化出来るという人は、これの映像を作って欲しい気がする。