サンジョルディの日にトラックバックで本を贈ろう

adramine2005-04-16


このエントリは、g:bookの企画でサンジョルディの日を含む前後一週間に、本を紹介してトラックバックで人に贈るというものです。詳しくは、bookグループキーワード[サンジョルディの日にトラックバックで本を贈ろう]を参照して下さい。
で、第一回。
SFからミステリのライトノベル寄りなモノを読んでいる高校生?なid:hiro0715さん。そのラインナップをみると、まだまだ読んだ事が無い名作が沢山ある事が羨ましく思ったりもするのですが、その中でも是非、今、その若い時に読んで欲しいモノを。
多分、まだ読んでいないと思うのですが、

栗本薫です。今はもうどうしようもない温帯も、この頃はスゴかった、非常にスゴかった。
SFジュブナイルの傑作だと私は思ってます。つか、私が今までで一番読んだ三冊です。読みすぎて本の角が丸くなる程、読んだ。
遠い未来、様々な意味で理想社会を実現した人類。その社会では、その社会に対して刃向かう事も、義務を果たさない事も自由。その行き届いた都市の風が通る丘で少女の様な細い身体に銀色の髪のレダ・セイヤーに出会ったイブ・イェンセン。彼女はその理想社会に於いて、「本物」の紊乱者。気紛れで様々な常識に縛られず、イブを巻き込んでいく。
彼女に寄り添う美しいアウラに、市長、L.L、同級生にティーチャー、そしてただ一匹の知性ある犬……。試験管ベイビーにセックスドラッグ、会話技術に失われた家庭。
ものスゴくいろんなエッセンスが詰まっているこの三冊を是非この時期に読んで欲しい。
当時の栗本薫は本当にスゴかったのですが、『真夜中の天使』通称『マヨ天』や『魔界水滸伝』通称『マカスコ』以降の作品を読む場合は注意して下さい。『真夜中の天使』はJUNE文学に興味があるのなら話は別ですが。