小川一水「導きの星 4 出会いの銀河」ISBN:4758430799

で、結局OTIの描写は安っぽくなってしまった訳だ。パーパソイドに対する干渉も中途半端な感じが否めない。この辺は予感的中…。第六大陸SETIとか、なんでこの設定が必要なのか?と言う部分で、倫理とか哲学とかが絡むと、その部分だけ高確率でコケる様な気がするんだが。
ただ、その他の部分は面白い。宇宙に出る様になって、始めてのスワリスの戦いが牙とシッポを使った白兵戦だったり*1、人類に対して反逆の狼煙を上げるオノセアや、最終的な停戦に至る所*2とか。
あと、台詞とかでかなり遊んでいる。あなた、今まで食べた小竜虫の数を覚えていて?なんてベタなJOJOネタをいきなり持ってくる。中でも個人的にストライクは、隕石爆弾で攻撃する事に対して、

ちっち、浅いねコレクタ。あたしが好きなのはよりエレガントな破壊手段。宇宙戦艦を指揮してスターウォーズするのなんか、ヌルいんだよ。人も資源も無駄にしすぎだよ。ロマンとかいらないんだよ。相手の手の届かないところから無人兵器で突撃!卑怯で外道な手段こそ最良なの。セントールってこれを地で行ってる

確かに。質量兵器というシンプルな物程、物語の中で美しい。戦術とか関係ない強烈な破壊力。そういえば、隕石爆弾と言う概念は、ヤマトが初めなのかな?
小川一水とは関係無い事だが、ハルキ文庫で思い出した。笹本の「ほしからきたもの」の3巻はどうなったんだろう…。

*1:高い知性を持ちつつ血に酔う攻撃性を良く描いていると思う。

*2:流石にネタバレで書けない。