『海猫』*10

原作は、谷村志穂の同名小説『海猫』*1。原作の感想はg:book:id:adramine:20040903に。
なんだこりゃ。原作の綺麗な描写や人物の深みをバッサリ切り捨て、伊東美咲の濡れ場が見所になってしまっている。確かに伊東美咲の裸は綺麗だけど、それだけで映画は厳しいな。つか、演技が……。周囲に佐藤浩市三田佳子という素晴らしい俳優がいるだけに、その落差が激しすぎる。
つか、原作は、タミ、薫、美輝(ミムラ)の女の三世代を三部構成で書いたモノなのに、一部をすっ飛ばして、いきなり二部から始まり、三部もかなり端折る感じで、かなり違う。肝心の鐘突きの牧師や遠洋漁業に乗り込む所等、それが無いと話が……、という様な状態。肝心要の薫の瞳が青く無いのは、如何なモノか。『海猫』のタイトルに偽りアリと言った所か。
んー、ちょい残念な出来だったな。まあ、劇場公開時には、ヤバそうなんで回避した所は、正解だったか。