『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々』*4

1943年ナチの支配下にあるミュンヘン大学で、ヒトラー打倒を市民に呼び掛けた実在のグループ「白バラ」のメンバーだったゾフィー・ショルの最後の日々を描いた映画。
冒頭、反体制のビラを大学でばらまき、即拘束。尋問官とのやりとりを経て、尋問終了後、翌日裁判、即日処刑という最後の五日間を、人としての誇りと良心を守り抜くゾフィーの姿が、ストレートに胸を打つ。
拘束され、尋問官とのやりとり。これが大部分を占めるのだが、ビラをまいた事を認めるまでの、迫力溢れるやりとり。ドイツ語は、迫力あるなーと、関係ない事を思ってしまったが、時折映されるゾフィーの手が、その緊張感がひしひしと伝わって来る。
兄が先にビラをまいた事を認めた後は、ゾフィーも認めたが、その後、調書を取る尋問官と、法と秩序、人、社会、神、良心等に対しての議論。これが最高にアツい。また、そこで揺れる尋問官の姿も素晴らしかった。
場面が裁判に移り、ナチズム全開の裁判官とのやりとり。傍聴席もほぼ軍服揃い。兄が先に発言するのだが、「我々は、皆東部戦線にいた。居なかったのは、あなただけだ」と裁判官に向かって、淡々と話した後、法定の雰囲気がガラリと変わり、最後の発言で、ゾフィーが「次に、ここに立つのはあなた達よ」と。かっこいい。
で、死刑確定。本来、最低でも、99日は猶予があるのだが、即日処刑という事に。驚きながらも、あまり取り乱さないゾフィー。が、独房に入った直後のたった一回の絶叫が、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のビョークの絶叫を彷彿とさせる。
最後、仲間との一時。涙が(ry
素晴らしかった。その一言に尽きる。